水源のかん養、土砂の崩壊その他の災害の防備、生活環境の保全・形成等、特定の公共目的を達成するため、農林水産大臣又は都道府県知事によって指定される森林です。保安林では、これらの森林の機能を確保するため、立木竹の伐採や土地の形質の変更等が規制されます。
保安林の種類とその働き
1. 水源かん養保安林
水源地の森林が指定されます。その流域に降った雨を蓄え、ゆっくりと川に流すことで、安定した川の流れを保ち、洪水や渇水を緩和する働きがあります。また、きれいな水を育む効果もあります。
2. 土砂流出防備保安林
樹木の根と地面を覆う落ち葉や下草が、雨などによる表土の侵食、土砂の流出、崩壊による土石流などを防ぎます。
3. 土砂崩壊防備保安林
山崩れを防ぎ、住宅や鉄道、道路などを守ります。
4. 飛砂防備保安林
砂浜などから飛んでくる砂を防ぎ、隣接する田畑や住宅などを守ります。
5. 防風保安林
海岸や内陸部などで風の勢いを弱め、田畑や住宅などを、風による被害から守ります。
6. 水害防備保安林
洪水の時に氾濫(はんらん)する水流の勢いを弱め、住宅などへの被害を防ぎます。また、樹木の根の働きにより河岸の浸食を防ぎます。
7. 潮害防備保安林
津波や高潮の勢いを弱め、住宅などへの被害を防ぎます。また、海岸からの塩分を含んだ風を弱め、田畑への塩害などを防ぎます。
8. 干害防備保安林
簡易水道など、特定の水源を守り、水がかれるのを防ぎます。また、きれいな水を供給します。
9. 防雪保安林
吹雪から道路や鉄道を守ります。現在、京都府にはありません。
10. 防霧保安林
霧の粒を樹木の葉などで捕らえ、移動を抑えて、農作物の被害や自動車事故などを防ぎます。現在、京都府にはありません。
11. なだれ防止保安林
なだれの発生を防ぎます。また、なだれが発生した時にはその勢いを弱め、被害を防ぎます。
12. 落石防止保安林
落石を斜面の途中で止めたり、樹木の根によって岩石を安定させたりして、被害を防ぎます。
13. 防火保安林
燃えにくい種類の木を配置し、火災の延焼を防ぎます。現在、京都府にはありません。
14. 魚つき保安林
水面に陰をつくったり、流れ込む水の汚濁を防いだり、養分の豊かな水を供給するなどの働きで、魚の繁殖を助けます。
15. 航行目標保安林
船舶の航行の目標となって安全を確保します。現在、京都府にはありません。
16. 保健保安林
森林レクリエーション活動の場として、生活にゆとりを提供します。また、空気の浄化や騒音の緩和に役立ち、生活環境を守ります。
17. 風致保安林
名所や旧跡、趣のある景色などを保存します。
詳細については保安林の所在する地域を管轄する広域振興局(京都市、向日市、長岡京市、大山崎町にあっては、京都林務事務所)にお問い合わせください。
お問い合わせ先
山城広域振興局農林商工部森づくり振興課 電話 0774-21-3087
南丹広域振興局農林商工部森づくり振興課 電話 0771-22-1019
中丹広域振興局農林商工部森づくり振興課 電話 0773-62-4621
丹後広域振興局農林商工部森づくり振興課 電話 0772-62-4317
京都林務事務所治山課 電話 075-451-5725